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~今回の登場人物~

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「ただいまぁ」



静かな部屋、荒れたベッドの上のシーツ

それと、結んでほどいた紐。



「・・・・・・やっぱ出て行っちゃったかぁ」


しんとした部屋にユンホだけの声が響いた。







翌日、ユンホは

普段はしない早起きをした。

歯を磨いて服を着替えるのを無感情でこなし

髭を剃る為に鏡に向かって自分の顔をまじまじと見る。

頬の痣は薄い紫色に変わっている。

こんなものを食らうとは思ってなかったから油断した。

これをスニが気にするといけないから

消えた頃に会いに行ってみようか。

でも離れてから24時間経っていなくてもう既に会いたいのに

消えるまでなんてそんな途方もない時間、我慢できるだろうか。

鏡の中の自分を見て考える

答えは出ないけど努力するしかないと思った。

努力して我慢して、そしたらきっと

スニだって分かってくれるはずだ。






出勤して配達スケジュールを確認すると

その日の配達先の中にスニのバイト先の名前があった。

スニは今日はバイトに出てるだろうか?

そんな事を思いながら配達をこなし

指定の時間になったのでドキドキしながら

二階に登って準備中と札がかかった店のドアを開ける。

「こんばんはぁ、宅配便です」

「はいは~い」

ハンコを持ってきたのはスニでは無かった

とってもガッカリした。本当にガッカリ。

「荷物重いので運びます、どこに置けばいいですか?」

「あら、そお?じゃあお言葉に甘えて奥の休憩室までいいかしら?」

「勿論です」

ダンボールを二つ運んで行く間

目だけキョロキョロと動かして探す。

いない、いない。

「なぁに、好みの子でも探してるの配達員さん」

「ここでチャンスニちゃんが働いてますよね、今日いないかと思って」

「あら、お知り合い?」

「えぇ。好きって言われたんですよ」

「え・・・・・・えぇ!?そうなの!?」

「可愛いですしオレも嬉しいなって思ったんですけど~

今日はいないんですね」

「まぁまぁ!スニったら男なんて興味ないって顔して

隠し事するの上手いんだから!

ヤーダーこんなかっこいいダーリンがいたなんて!ちょっと!みんなぁ!」

「あははは、今日は来ないんですかねぇ」

「来るわよ、遅番だからまだまだだけどね」

「そっかぁ、あ、荷物ここでいいですか?置いておきますね」

「力持ちなのねぇスニのダーリンは」

「取り柄少ないんですよ」

「そんな事ないわぁ、顔に、身体に~ほんとイイ身体してるわねあなた」

「あ、そこはスニ専用なんで」

「まっ」

ボディタッチを上手く避けて急いで店を後にした。

とりあえず、今夜あの店にスニが来ると分かっただけでも

少し心が落ち着いた。

「あ・・・・・・ユンホさん」

店を出た所でそう声を掛けられ振り向くと、

チャンミンくんが立っていた。

「お、やほー」

「お仕事お疲れ様です」

「そっちもこれから?お疲れ様~あとで配達行くかもね」

「ユンホさん、待ってください。話せますか?」

「少しなら」

「すいません、少しだけ。

最近ユノさん元気がなくて

それって多分ユンホさんの事心配してるせいだと思うんです

二人の事口出しするのは悪いと思うんですけど

ユノさんが」

「チャンミンくん、ユノが大事なんだね」

「いや、そんな事は・・・・・・あるかもしれないですけど」

好きなんだ、ユノの事。

頬の痣がぐっと痛んだ気がした。

「でもあいつってさ、結構ズルい所あるよ」

「え?」

「オレにチャンミンくんと付きあってくれってって頼んできたんだよ。

チャンミンくんがオレの事好きって言うから叶えて欲しいって

普通そんな事頼まないよね。

そんな自己犠牲なんて全然綺麗じゃない、ズルいよ。

その癖傷ついてうじうじしちゃってさ、ゲロ甘いコーヒーがばがば飲んでんの」

「それって、え・・・・・?」

「それにそんな事言いながらチャンミンくん襲って痴漢紛いの事もやったし。

人の気持ちが分からない弟だよね。

でもオレはチャンミンくんと付きあう訳にはいかなかったからさ」

「それは、いいんですけど

すいません、ちょっと今理解が追い付かないです」

「ユノにオレは元気だって言っといて

ごめん、もう次の配達行くから」

返事が無かったけど先を急いだ。

でもどうしてあんな事を言っちゃったんだろう。

二人の仲を傷つけちゃったかもしれない。

でも、それでも

傷つけて残ってるものが本物だから。

オレはそう、思ってる。

スニ、すごく会いたいよ。

憑りつかれた想いを抱えながらも身体を動かしている事で

少しだけマシになってきた。

「お待たせしましたァお荷物です~」

「ありがとうね」

笑顔で言えば笑顔が返ってくる。

小声で話せば怪しまれる。

人と接するのは鏡のよう。

でも自分は人の心を映さない。

オレはひび割れた鏡だから。







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次回は第一の山場です(やっとか)誰かな? お見逃しなく~


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